介護施設で相談ボランティアをはじめて4カ月が過ぎました。短期間の乏しいですが経験談として話してみます。
入所者には女性が多く、私よりも年齢が下の人も少なからずいます。最高齢は百歳を超えていました。有料老人ホームであり、入所者は穏やかに過ごされています。
職員は全体に若く、女性が3分の2以上(?)だと思います。みなさんやさしくて親切です。私は「押しかけて行って、静かに待機する」という不思議な存在になります。職員はどう対応すればいいのかわからないかもしれないですが、感じよく放置してくれています。おかげで居心地は悪くはないです。
入所者には車いすで動く人が多いです。4階の建物で、各階に大きなフロアがあり食事もたいがいはそこでします(自室に持ち込む人もいるはずですが)。このフロアには大きな窓があり、外の景色は街並みが広がります。
しかし、家族が訪ねてきた機会を除くと施設の外に出ることはないようです。外に出ても知らない地域であり行きたい先もないでしょう。出かけても知った人はいないでしょう。介護保険ができ、介護施設ができたことで、穏やかな老後を過ごせるのはいいことですが、人の一生を考えるととてもベストとは言えません。そういう介護保険さえ抑制の対象になっています。
入所している高齢者と接して感じることは、特に女性の場合の忍従です。70年代くらいまでは「現役世代」とされていたのでしょうが、嫁入り先の家庭内での生活は忍従ではなかったかと思わずにはおれません。もちろん生活条件も本人の気質もいろいろですから…個人差はあります。乏しい表現から想像できるのはこの点です。それを強く非難する言葉を聞くことはまだないです。それに馴染んできたのかもしれません。
ともかくこの状態は人の自然状態としては正常とは言えず、この数十年の世の動きはそれが静かに、着実に是正されているだけなのではないかと、そういう解釈をしてみました。