8月5日、4年ぶりに「かつしか進路フェア2023」が開かれました。
一応実行委員の資格のある一員として、遅れて相談コーナーに参加しました。約100校近くの高校が参加。中学生と保護者の参加は4年前より減少したようですが、それでも1000人は超えていたでしょう。
実際の相談の多くは他の人に任せて、私は、合い間に参加した高校側の相談メンバ-と話す機会をもちました。
私立の通信制高校、都立のチャレンジスクール(昼間定時制)および都立夜間定時制の先生です。以下は精密さを欠く内容ですので、ここでは話した相手校名は伏せておきます。
私立通信制高校——設立20年弱です。2000年前後に多数の私立通信制高校ができました。大検(高卒認定)予備校、通信制サポート校、技能連携校から高校を設立した学校が多く、大部分は通信制高校でした。
今回話したのはそういう背景のない私立通信制高校です。設立時の教師の多くは引退しています。相談席の入試相談担当者は当時の生徒募集の苦心を聞いています。現在はクラス定員35人の4クラスあります。通信制高校で不登校経験者も多く、週5日コースはほとんど全日制高校と変わりません。出席日数の縛りがないので、生徒の状態に柔軟に対応できます。いまでは大学・専門学校への進学率も高くなった。これからもがんばりたい…と率直に語ってくれました。
都立のチャレンジスクール——今春の入学試験も応募が多く、結局100人ぐらいが入学できませんでした。もともと不登校の生徒の受け入れ先としてできたのがチャレンジスクールです。入学できない生徒が出ないように、都教委ではクラス数を増やせないかと考えているといいます。今春はいくつかの高校で、居場所的様相のクラス(?)を設けて実質受入枠を増やし、高校に入学できる条件を広げているとのことです。これはごく大雑把な話なので、実質的内容は心配な面もあります。中学を卒業した生徒が、高校に入学できない事態は避けようとしているスタンスは一応もっているということでしょう。
都立夜間定時制——かなり熱く語ってくれました。生徒数は多くないが、学業成績が低いなどの生徒一人ひとりの状況に即した活動をしている。外国籍で日本語をうまく話せない人も入っている——これは夜間中学校に見られることの延長を思わせる——夜間の定時制高校もあるようです。
他にも様子をききたい高校もありましたが、相談コーナーの席が中学生と保護者の相談中で、都合よく空かなかったので数校に限られました。出席した高校に、全寮制の高校や都内の通信制高校学習センターがみられなかったのはやや残念です。来年度に向けて各校と実行委員会に伝えておくつもりです。何しろこれらが不登校生や高校中退生を先行して受け入れ条件をつくり出してきた先駆者なのです。