「ほとんどの人が出来ているのにあなたはなぜできないの」と考える家族に、これこれの理由で出来づらいと説明し理解してもらうことは大変です。
自然に完璧を求める性格などと話しても、イメージできないのでしょう。
感覚が鋭いことはひきこもりになりやすい理由の1つですが、これもよく伝わりません。
発達障害の傾向があると話したり、自分の特色を説明して理解してもらおうと努力を続けている人もいます。
けれども上手くいかず「家族が理解しない・家族から理解されない」状況になっています。
私は家族からの相談に対しては、「わからないかもしれないが、わかろうとする気持ちで聞くのが大切です」とよく言います。
たぶん周辺にいる家族にとってはいちばん大事なことだと思います。
しかし、これは家族の側であり、本人の意図的な努力とは別です。
この状態を和らげるには、当事者としても工夫がいります。そのヒントになれば…。
家族に手伝ってもらえそうなことをお願いしてはどうでしょうか。
理解してもらうよりは自分が動きやすくなる条件づくりを助けてもらうのです。
あまりいい例とは言えませんが、こんなことがありました。
時間内に(または同時に)いろいろなことはできないので、何か一つを手伝ってもらいたいと頼みました。
そうしたら「食器洗いならできる」との返事です。
これ自体は本質的なことではありません。
自分の手で丁寧に食器洗いをしたくて時間をとってしまう、だからそれを見守っていてほしい、ということが本音に近いのです。
それでも「頭で理解されるのを待つより、動きを通して少しずつ分かってもらえる」方向に気を移します。
家族が理解するのは理屈からではなく、日常の動きを手伝う過程かもしれません。
動きのなかでどんな困難を抱えているのか少しずつわかるからです。
以上は、前に家族の相談を受けたときのことですが、あまり具体的に書けず、ピントがずれたようです。
参考にならないかな?