以下は昨日6月12日「大人のひきこもりを考える教室」でのレクチャーテキストです。いくぶん加筆しました。
最近の不登校情報センターに届いた案内です。…
(1)Re:Homeアカデミー:(チラシ参照)手伝いから始める就労支援の場合。
(2)産業廃棄物中間処理施設のKくんの場合:ブログ〔ゴミ置き場管理人エンジの日常「求む!ひきこもり・発達障害の方〕(http://ameblo.jp/jfdsajfdsa/)を始める。
(3)ストレス解消法を学ぶ講演会:(チラシ参照)
(参考)不登校情報センターの居場所ワークの場合。
ひきこもりから社会につながる方法・過程は、いろいろな方法があります。ひきこもっている本人の状態により、また家族などの周囲の環境条件によりどれがいちばん適合するかをさぐります。初めから答えがあるのではなく、本人の状態を見ながら探し加工し、適合できる状態にします。
この探す過程、自分で行きその場に入ること自体が一つの実際の体験です。出来そうなこと見つけて試してみる。初めから上手くいくことは少ない。うまくいかないことや失敗も欠かせない貴重な経験です。しかし無理をしてはゼロまたはゼロ以前に戻ります。状態にあったできそうなことを重ねる。大事なことは完成した方法を当てはめることではなく、本人の状態に合わせて加工すること、カスタマイズ(自分仕様)することです。
現在、社会的にできつつある状況は、このひきこもり状態に適合しそうな条件が少しずつ整ってきたことです。学者や行政職による机上の理想的なプランではなく、ひきこもり当事者と接触点を持つ人たちがその条件に即してつくる地道なものです。
(1)上にあげたのはRe:Homeアカデミーと産業廃棄物中間処理施設および不登校情報センターの居場所ワークは、居場所的な要素を持つゆるい対人関係・就業体験のできる場です。
(2)初歩的な対応レベルでは訪問が必要です。初歩的というのは容易ということではなく、この場合は難しい面があります。その訪問・同行活動の取り組みは遅れています。KHJ親の会でピアサポートをすすめようとしています。トカネットの訪問活動は不登校から高年齢の人を対象にしたものに広げています。一部の社会福祉協議会などの取り組みがあります。
しかし訪問活動のこれらの動きは局地的・限定的で大きくは広がっていません。支援者は家族とともに本人状態にあったアプローチの仕方を考え工夫しなくてはなりません。
(3)当事者が集まる居場所づくりには大きな動きができました。フューチャーセッション庵に代表されます。当事者中心の居場所が広がっています。一般の支援者が関わり、ひきこもり経験者の気分・状態にあった方法を追求しています。
(4)長い視点で見れば、20年前、10年前よりは引きこもり経験者が動きやすい社会的条件「居場所的な要素を持つゆるい対人関係・就業体験のできる場」が出来つつあります。それでも大部分の真性ひきこもり状態の人にはまだ動きづらい社会的な条件のままです。この点を理解しておくことです。