引きこもっている本人から電話で相談があるのはかなり珍しいことです。
この日は20代前半の男性からでした。
4年ほど前に勤め先で「人づきあい、人間関係に悩む」ちょっとしたトラブルがありそれがきっかけでした。
それからすぐに引きこもり状態になったのではなく徐々に、そして1年前からは“真性”引きこもりです。
外出は父に同伴してもらい月1回ほど精神科クリニックに行くときだけ。
「何がいちばん苦しいですか」と聞くと、「孤独です」とすぐに返ってきました。
3階の自宅から飛び降りたい衝動(本人は“自傷”といいます)、精神的に追い込まれるとパニックになってしまいます。
自宅のあちこちの壁に穴が開いています。これがパニックになったときの表われです。
3年ほど前に、これが原因で兄が家を出たといいます。
対人恐怖もあります。そのためにクリニックへ行く時などでは逆に強がっていると自覚しています。
ネットを通して知り合いができ、携帯でほとんど毎日のように話しています。
相手は働いている、やさしいタイプの人だと言います。
引きこもっている人がこのような形の電話で話し相手ができるというのは初めて聞きました。
これから増えてくるように思います。
不登校情報センターの電話番号はこの人から聞いたものでしょう。
母はすでにいなくて、父は「外に出れば治る」と外出を勧めるばかりです。
本人は「父は理解がない」といいます。
ここは本人の外出ではなく、外から来てもらう形が考えられます。
電話をしていた時間は40分ほどで、不自然な沈黙時間はほとんどありません。
この人は、ある程度エネルギーが出てきていると見受けしました。
もしかしたら発達障害の何かがあるかもしれません。
引きこもりとはいえ停滞しているばかりではない兆候をいくつか見ることができます。
●引きこもりのみなさんに申し上げます。
この方のようにぜひ連絡をください。
はじめに「ひきこもり当事者です」と言っていただくと私・松田にもわかりやすいです。
電話は、03-5875-3730(なかなかつながらないとクレームはあるのですが…)
FAXは、03-5875-3731
メールは、open@futoko.info