不登校情報センターの情報提供の現在を、不登校受け入れの学校・支援団体の情報提供の方法の変遷から考えてみました。
不登校情報センターは設立以来、不登校生を受入れる学校・支援団体の情報を集めそれを情報提供してきました。
設立は1995年です。当時は複数の出版社がそのような出版物を発行していました(現在もわずかですが続いています)。
その情報出版物に並行して、受入れ校とともに進路相談会を開催していました。
出版物と進路相談会の2つの柱で受入れ校の広報活動をしていたのです。
2000年ごろから、ここに変化が表れました。進路相談会への参加者が激減したのです。この事情はネットにおける受入れ校の情報提供が広がったためと説明する人がいました。
背景の一面の説明は当たっているのですが、不登校情報センター主催の最大の進路相談会は2001年9月でした。5日間通して行い、記憶では参加者は500人近くいました。100校近くの学校案内書を展示・配布し、カウンセラーの相談機会をつくり、何よりも有力な新聞4紙以上に掲載されました。3連休を挟む5日間連続の取り組みができたことも注目された要因だと思います。
この経験がありますので、ネットにおける受入れ校の情報提供が広がったから進路相談会の参加者が減ったとは一概に判断できないとしてきました。
ネットにおける受入れ校の情報提供はさらに広がり、出版社側からの情報提供本の発行は2004年を最後にできなくなりました。進路相談会の参加者は確かに減りました。
不登校情報センターがネット上で情報提供を始めたのは2004年からです。多くの試行錯誤がありました。徐々に情報提供の量がふえ、内容も豊かになり、学校以外の相談室、親の会の情報も増えて行きました。引きこもりや発達障害に関する情報内容も増えました。
これらの情報提供に完成はないのですが、私が現在の不登校情報センターのサイトを「一応の完成」と言えるようになったのは昨年の秋ごろからです。根拠にしたいのは、情報を受け入れる仕組みが少なくとも学校・教育機関に関してはできていること、相当の情報内容がすでに入っていることです。この仕組みがあればさらに情報を追加しても支障がないレベルになっています。2004年から実に9年かかっています。
しかし、これで完成というわけではないし、また継続できる保証ができているわけでもありません。状態を白紙に戻して必要な条件を考える状態になったのです。サイトが一応の完成を見たからできることです。
必要な情報をアピールする側の枠組みはできています。けれども中心的に情報を必要とする側、不登校の経験者と家族にとって有効かどうかを見ると、不十分です。ここが明瞭になってきました。
サイトの「一応の完成」の完成度を高めるとともに、不登校の経験者と家族に必要な情報提供をめざすことが中心課題になります。どうすればそれに近づくのか。この点を探ることになります。