杉並社教の進路相談会覚え書

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不登校・中退者のための進路相談会に関して、杉並区社会教育センターと共催者に「覚え書」を送りました。一部を省いて紹介します。

覚え書「不登校・中退者のための進路相談会」(2013年3月8日)

先日の「不登校・中退者のための進路相談会」に関する杉並区社会教育センターからの申し出は、協力関係を明瞭にする提案になるでしょう。しかし、方法によってはこれまでの協力範囲を超えるかもしれません。
主に私の記憶によりこれまでの経過を振り返りました。進路相談会を主催するメンバーの共通意見というより私個人の問題整理です。

不登校情報センターが杉並区社会教育センターの取り組みにかかわるようになった背景から始めます。2002年ごろ社会教育センターの職員が不登校情報センターを訪ねてこられました。活動内容の確認であったと理解します。その後、社会教育センターは主に杉並区内の不登校に対応する民間団体を紹介する冊子をつくりました。そこに不登校情報センターは紹介情報を書き、その冊子に掲載されました。

2004、5年ごろから不登校情報センターは社会教育センターが開く“不登校・ひきこもりの相談・支援団体の意見交換会”に参加するようになりました。これは先の冊子で紹介されたことと関係があるはずです。
この交換会の初めから不登校情報センターが参加していたのかどうかはわかりません。というのは「すぎなみしゃべりば」はすでに開かれていて、区内の複数の民間相談室が共同運営をしていました。その団体と社会教育センターは協力関係があったはずで、意見交換会はすでに開かれてきたのかもしれません。

私が意見交換会に出席し始めた当初は、この交換会の場は杉並区の不登校等に関する施策の説明と各団体の交流でした。
2005年にこの意見交換会の席で私は進路相談会の企画を提案しました。それは杉並区の施策に対応する取り組みを始めるので協力してください、というものです。企画内容は実施者で具体化し、それに社会教育センターの協力を求めるスタンスです。社会教育センターには予算支出は事実上ないはずです(会場使用・用紙支給に特別の支出項目はなく、職員参加は振替休日になると推測します)。これが基本的な協力関係になると理解しています。
意見交換会に出席する団体で進路相談会を一緒に取り組めるところは和泉自由学校でした。私はこの取り組みが杉並区内の団体中心になればいいいと考えていましたので、アミータ福祉教育学院に協力を求めました。アミータ福祉教育学院はこの進路相談会の企画に参加し、また意見交換会に参加するようになりました。運営3団体のうち2団体が杉並区内の団体によるスタートです。

第1回の不登校・中退者のための進路相談会は、2005年11月19日です。開催時期が現在とは違います。名称は「出会いの機会 不登校・引きこもり支援団体の情報提供の場」です。内容も微妙に違います。杉並区社会教育センターの協力は会場提供と広報などです。
相談会会場で配布する冊子には「杉並区教育委員会事務局 社会教育スポーツ課長」名による「ごあいさつ」も掲載されています。実施する私たちはそれに支障はなく、いわば社会教育センターにお任せしてきたのです。
第2回は2006年5月28日で、名称は「出会いの機会 引きこもり・ニート支援団体の情報提供の場」です。第4回から年2回の開催時期が3月と9月に固定され、内容は不登校・中退者の進路相談会に収斂し、確定してきました。実施者として現実に即した軌道修正をしてきたものです。

2007年春にこの進路相談会に参加した母親たちの会(セシオネット親の会)が生まれました。これも実施者としての企画でした。社会教育センターには1階にある団体集会室を毎月1回使わせていただきました。通常の会議室の利用とは別扱いになっていたものと思います。社会教育センターがそうしたのは、区の施策の実施になると認めたからではないかと思いますが、正確なことはわかりません。
ところが1年以上して、この集会室の利用ができない事態が生まれました。もしかしたら“不明瞭を明瞭にする”処置としてそうなったのかもしれません。その結果、集まる場所が不安定になりました。安定的な場を求めるなかで進路相談会の実施に協力し、意見交換会に参加していた「親と子の相談室sora」から協力申し出がありました。そして親の会の場を「親と子の相談室sora」に移しました。この時点でセシオネット親の会は社会教育センターとの協力関係は途切れたのです。これは私たちが選んだことではなく、事態に対応した結果です。その後「親と子の相談室sora」は進路相談会の正式メンバーに加わっています。

このような道を経て和泉自由学校、アミータ福祉教育学院、親と子の相談室soraと不登校情報センターの4者が年2回の進路相談会と毎月のセシオネット親の会を共同で運営する関係になりました。進路相談会は社会教育センターとの協力関係がつづき、セシオネット親の会は私たち独自の取り組みとして続いています。
なお第10回を超えたころから“無料カウンセリング”を始め、これには別室の提供を受けるようになりました。これも実施者として要望し、社会教育センターに協力していただいた関係です。
見方を変えれば“不登校・ひきこもりの相談・支援団体の意見交換会”のなかにこのような協力グループができました。これは社会教育センターの意見交換会企画と会場提供の成果といっていいものです。

社会教育センターの進路相談会へのかかわり方は担当者が代わるごとに少しずつ変わりました。冊子に記載する社会教育センターの役割は、数年前には「協力」から「問合せ」先になりました。昨年からは「協同事業」扱いになりました。いろいろあっても実施者と行政側の基本的な協力関係の枠内のことです。支障は生まれていません。
今回は、「広報すぎなみ」に発表したことと実施内容が違う点が指摘されています。事態の様子により実施者として適切に判断できたものと思いますが、協同事業をする社会教育センターは問題ととらえたということです。広報に発表した通りにすればよかったのかは疑問です。いずれにしても私たちが実施者として事態を判断し、対応するしかなかったのです。
今回の事態にあわせた運営の形式変更により、新たな手がかりを得ました。それをどうするのかはこれからの課題です。事態に対処するなかで継続する条件をつくり、発展もあります。これまでの経過はそれを示しています。それが「広報発表と違う、それはダメ」では実際的でも発展的でもないでしょう。

今回提起を受けたことは、これまでの“不明瞭ながら役割分担による協同関係”を明確な関係にするためかもしれません。そのばあい実施者と協力者の部分が崩れるような役割分担の内容変更は望みません。
これまでの協力関係に不都合なものがあると考え、社会教育センターとして業務委託など別の選択を考える手法もあるでしょう。それに対し私たちは何も言うことはできません。応ずるかどうかを決めればいいことになります。
しかし、そういうことで協力関係が強まるのかは疑問です。どのような場合であっても、不登校情報センターは可能な協力をするつもりです。新たに考えられる協力関係において今回のようなその場の事態にどう対応するかの方法が閉ざされるなど、明瞭化にともない協同内容が変更されるならば、実施者の一員ではなく別の形の協力にするのがいいと考えます。これは進路相談会を一緒に実施している他の人たちの意見にも左右されることです。
次回の9月8日に向けて検討しあうことになります。その過程を経て相互理解の向上と良好な協力関係ができるように期待しています。

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