引きこもりの就労支援について、不登校情報センターは組織として就職をめざすものから転換しています。そうした理由はすでに他の団体からも出されたように就職状態の継続が困難な人が多いからです。
これまでにも就職した人はいますが個人的な到達と努力によります。それにもかかわらず継続は困難であり、継続しているのは30歳以上では特例になります。
就職に代わって不登校情報センターは「引きこもり経験者の社会参加支援」に取り組んでいます。
体験発表の出前サービスに数人が登録しています。1回3000円で、これまでは親の会や保健所などで発表の機会がありました。
サイト内に個人でブログを運営している人がいます。4、5か月で数千円の収入です。
今日はSさんが一緒に参加しました。居場所コーディネーターとして紹介するためです。ここに参加しているのは異例かも知れませんが違反ではないでしょう。自己紹介する時間がないのが残念です。彼の活動も「引きこもり経験者の社会参加支援」の一つです。
「引きこもり経験者の社会参加支援」は仕事づくりと集団的自立の2つの面があり、これらは個人での仕事づくりの例です。
2月22日、杉並区社会教育センター主催で開かれた不登校・ひきこもり等相談・支援団体意見交換会の今回のテーマはひきこもりの就労支援でした。出席者は杉並区の不登校・引きこもりに関係する福祉・保健・教育・障害などの各課の人と、区内外の民間団体の合計30名あまりです。
メイン報告は昨年12月にオープンした杉並区就労支援センターの取り組みでした。それに続いて参加各課・団体の自己紹介の機会がありました。多くの発言のなかで引きこもりからの就職の困難な現実が報告されました。
それは不登校情報センターにおいても経験し、数年前から意識したことです。多くの団体からもそこが報告され、共通認識になってきたと確認ができました。参加していない支援団体に“就職させた人数”を実績にするところがあります。数字を見ても実情は見ていないのではないかと懸念します。
問題は、困難な状態の打開方向です。どんな代案があるのか。私は不登校情報センターの取り組みを就職中心から「引きこもり経験者の社会参加支援」という仕事づくりになると発言したのです。到達レベルはほんの初歩的なものですが、支援対象の当事者がわずかながら自ら収入を得ている点をアピールしたかったわけです。即席の短い発言時間ではうまく言えなかったという思いが残ります。
不登校情報センターに通所する引きこもり経験者に共通するのが「不登校・引きこもり対応の学校・支援団体の情報提供」です。独自のサイト上に約2500の学校・団体を紹介しています。ようやく収入に結び付くサイトになったでしょう。完成すれば量的に2倍にはなります。
今回の意見交換会の場に用意された『不登校・ひきこもり支援 関係各課・団体紹介資料』に掲載の各団体紹介は、このサイトに加えていきます。会場にいた出席者に頼んで6団体からは口頭で了解を得ました。正式には文書で全ての団体にお願いします。
この情報収集による情報のサイト制作が不登校情報センターに集まる当事者の作業になります。全国の学校と支援団体を対象に情報収集します。それがワークスペースをつくり、集団的な自立のベースです。サイト制作を収入にする取り組み、それがもう一面の就労支援、仕事づくりです。