プロ野球・阪神タイガースを引退した金本知憲選手がインタビューに答えていました。
「将来、監督をする予定はありますか」という質問に、冗談交じりにこう答えました。「やるとしたら広島カープ。古きよき伝統と雰囲気があります」。「阪神の監督は?」という質問には「勝ったときは広島よりも2倍か3倍は嬉しい。負けたときは広島の100倍苦しい」。
インタビューのやり取りをうろ覚えで書きましたから正確ではありませんがおおよそこんなことでした。そんな阪神に金本監督は生まれそうもありません。広島は選手を育てる名球団です。金本選手もそうですし、活躍して有力球団に移籍した人が多数います。片や阪神タイガースは、来シーズンに大リーグから2人を迎えることが決まりました。50年来のタイガースファンの一人として、この対比において、広島カープをうらやましく思います。
これはプロ野球球団のことだけではなく、企業社会の現実が「即戦力を求め、育てる力をなくしている」を衝いている点でもみごとに一致しているのです。