5月13日に第1回「大人の引きこもりを考える教室」を開きます。この日の話(30~40分)は下記の“大人以前”を話します。その後で質疑と交流、3時終了後に個別相談をします。開始時間は午後1時です。参加希望者は03-3654-0181まで連絡ください。
(1)子どもは親への依存状態から人生をスタートさせ、依存を通して依存から抜け出す力を身につけます。友達をつくり、自分を発見し「こんな自分でいい」という感覚をえて、自立します。それが思春期の始まりです。
(2)親からの虐待と過干渉。ほとんどの場合は表立った虐待ではなく過剰な躾、親の思いを余すところなく子どもに定着させようとする押し付けの形をとります。
(3)親子の間での共依存関係。いつも親の手のひらの上で演技する状態になります。子どもが自分から何かをしようとすると親は妨害、阻止に向かいます。「あなたには似合わない」「もっといいことを見つけなさい」「そんなことをして何になるの」…。一方で「あなたが頼りだから」などといって引き止めます。これは母親に表われることが多いです。
(5)父親に多いのは指示命令型、君臨型です。家族内の関係をつくっている当事者なのに外部の第三者のように振る舞いやすいです。親子の断絶の典型になります。
(6)成長期の子どもの失敗は宝物です。初めからうまく歩ける赤ちゃんはいません、自転車に乗れる子どもはいません。年齢に応じて歩こうとすること、親の見えなくなっても大丈夫になること、自転車に乗れるようになること…が負担ではなく子どもの喜びとして挑戦できます。親はこれを阻止しせず、適度な安全性を考える役割です。
(7)思春期以降の挑戦は、友人関係、学業・運動・技術・芸術など幅広い分野に及びます。親は応援することで、干渉と阻止は子どもの自然な成長を妨げます。非行といわれる行為はこの状態から生まれるし、引きこもりも子どもの気質と関係してここから生まれることが多いです。*子どもの中での長期間のいじめは類似した状況を招きます。
(8)思春期以降の子どもはいきなり依存を断ち切ることがあります。依存関係と気づかずに依存を続けている状態も見られます。両極端の反応ですが、おかれた状態が不自然である点で共通しています。
(9)以下は構想の断片
*親と離れて住む、一人暮らしの意味、良し悪しの条件。
*父と息子の関係、母と息子の関係。父母と娘の関係。
*兄弟の子ども(甥姪)と自分(当事者)の関係
*父親が定年退職し、自宅にいるようになると気持ちが不穏になる。
*妹夫婦に子どもができたら、親の関心がそちらに向き少し楽になった。
*父親とは長い間話していない。急にそんな話ができるわけがない。
*父はすでに亡くなったが、決着の話をしないままの気分がある。
*親の会をグループ分けしたところ、親子の断絶した状態が一番多かった。
*支援者とはいえ上から目線の人は相談をする対象ではない。父母もまた同じではないか。