スピリチュアル系の案内に思う

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スピリチュアル系の対応をしている事業者からときたま営業案内(?)が届きます。不登校情報センターはたぶん格好の営業対象になるのでしょう。
確かに通所している人には、それに関心を示す人は少なからずいます。
たとえば先日とどいた『もしかしたら貴方は病気ではないかも知れません!』という案内には「どんな人が対象マニュアルなのか」として次の様子の人を列挙しています。

「(1)自分は人の感情に敏感だと思う方。(2)人の感情に振り回されてしまって疲れるのが悩みの方。(3)人と違和感があり、漠然と不安感や孤独感がある方。(4)どこにいても自分が属する場所や組織がないように感じている方。(5)誰にも本当のことを伝えられない。信じられない方。
(6)他人の言っていることが本質的ではないので、つまらないと感じてしまう方。(7)自分の感覚が人には通用しない方。(8)自分はこの地球の人間ではない気がする方。(9)漠然と前世や来世のことを考えてしまう方。(10)この人生自体の現実感が薄い方。
(11)いつも職場で孤立してしまいがちな方。(12)がんばっているのに人間関係が長続きしない方。(13)なぜかいつも目の敵にされたり感情をぶつけられたりする方。(14)世の中のルールやシステムに呆れてしまっている。馬鹿らしく感じている方。(15)パニック障害、うつ病、統合失調症などと診断されているがピンとこない方。
(16)何か人生の目的があるように感じているが、それが何だかわからない方。(17)常に自分の役目について満たされず、焦りや怒りの感情がある方。(18)精神世界やスピリチュアルに興味があるがどれもシックリこない方。(19)もっと本当の意味で親密な仲間や友達がほしいと思う方。(20)自分のような人間が他にもいるのかと疑問に思われる方。
(21)アスペルガー症候群やADHD、発達障害と診断されたが何か違う気がする。(22)お子さんが発達障害と診断されたが、何だかシックリこない方。(23)子どものパニック、かんしゃくに戸惑っている方。(24)発達障害の対処法ではなく、改善する方法が知りたい方。(25)何も誰もわかってくれないと諦めの中で苦しんでいる方。
(26)なんで自分がこんな思いをするのかと恨みに近い感情がある方。(27)自分の存在、子どもの存在の意味がわからなくて出口を探したい方。(28)どのように生きたら良いのか考えてもわからない方。」

共感すべき着眼点が含まれていますよね。取り組んできた方々の経験の集積によるものとみて間違いないでしょう。
ですが私はこのグループの対処方法(医学でもカウンセラーでも対応できないこれらの人の地球対応術と称しています)を肯定しません。理由はエビデンス(証拠)の欠如です。ことにエビデンスを求め根拠にしようとしないのが致命的です。
エビデンスは経験則と部分的には重なりますが、それを証明しようとする指向がないと到達しません。その指向が見られないために肯定できないのです。そこがスピリチュアル系とK.ユングとは違うのです。
私は日本の精神科医療が薬物療法に傾き、一部では堕落しているとさえ思います。そういう中で人の感情や生活感覚に表われる現象を自然状態において受け入れようとする傾向を持つスピリチュアル的方法を肯定します。薬物療法に変わる可能性をもつからです。
他方では「これではナンセンス、お遊び以下」と思うことも少なくはありません。エビデンスとはAさんもBさんも体験した、知っていると置き換えるレベルでは証明にはなりません。立派なだれだれさんがこう言った、というのは基本的にはある物事を証明する材料にはならないのです。そういうことに終始するものがナンセンスなのです。

科学は万能ではありませんが、一つひとつの根拠を積み上げる努力をします。科学が不完全であると認めたとしても、スピルチュアル系にそれを超えるものはありません。科学は相対性を含みます。科学を相対性ではなく万能とするのは科学信仰というべき擬似宗教です。相対性を含むけれども相対性には解消されない確実性も確保できる、それが科学です。
そういう相対性に含まれる確実性を少しずつ確保する道を目指してほしいものです。私が距離を置いた関係においてスピルチュアルを眺めている理由はそこです。WHO(国連の世界保健機構)が健康の定義のなかにスピルチュアルという言葉を導入しようとしていますが、これは日本で使われているスピルチュアル、あえて俗流スピルチュアルといいますが、それとは別物と感じます。

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