3つの「間意識」から自分の問題を探す

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引きこもりからの外出に心がけている人の実感を聞きました。
家から外出するとき、家での準備のときがうっとうしく、抵抗感を押しのけている無理やり感があります。衣服、持ち物、片づけをするのにあわただしく、そのあわただしさは時には耐え難いときもあります。バス停まで行ってバスを待つ状態になると落ち着きます。
よく考えると、そのバスを待つ状態になるまでが課題の中心です。それはバスの時刻に拘束されている自分がいて、それへの精神的な抵抗に苦心しているようです。バスが込んで窮屈であるとか、バスに乗っている人への不安的なものは自分にはありません。
家から外出は自分で心がけています。その日の体調にもよりますが、いざ行こうとしたときの抵抗感の中心は時間に自分が縛られ、バスに間に合うようにバス停で待っていなくてはならないことであるとわかります。

引きこもり経験者が意識しやすいことを空間意識、時間意識および人間意識の3つの面から見ることができます。人間意識とは対人関係の表われです。距離感が近い、人の気持ちに左右される、人の感情がわからないなどの形で指摘されることです。バスの例で言えば、バスの混雑がとりわけ苦手という形などで出るのでしょう。
空間意識も神経質的な状態としてよく指摘されます。エレベーターなどの狭いところが苦手、広場恐怖などを挙げることができます。バスが苦手になる場合も上の例とは違い、空間に関係しますし、動いている空間に特別の意味が出るときもあります。
時間意識の例は挙げにくいのですが、実は時間に追われるのが苦手であるとか、逆に時間が迫っているのに大事なことに手がつけられない形でも表われます。この例は集団行動のときに全体の動きに合わせるのが苦手ということで表われやすいものです。

そして空間意識、時間意識、人間意識が2つまたは3つが複合します。何かが苦手であるとか、漠然とした不安感があるとき、空間・時間・人間の「三つの間意識」に照らして観察するといいと思います。その方法が瞑想になる人もいると思います。形式は瞑想でなくてもそれに近いものです。理論的な分析ではなく、感覚を研ぎ澄ました状態での自己観察です。

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