今春、大学を卒業しフリースクール等で働きたいが仕事につけるかどうかの問い合わせをくれたYさん、いま通信制大学の1年で教員を目指しながら何かをしたいMさん(23歳)、2人の男性からメールをいただきました。
お2人にそれぞれの返事を書きましたが、重なる部分もあるので両方の返事をまとめて両方にすることにしました。
自分のいまの生活に不安がないのならば、なるべく早く自分で何かを始めるのがいいと思います。
家庭の事情で自分が働いて収入を得なくなるのであれば、こうはいきません。それはまだ考えなくてもいい場合のお返事です。
(1)「オルタナティブスクールを作ること」に意義があると思い活動したいYさんへ。
「いまいち突破口を開けず、活動について何か助言を」といっています。
家庭教師から始めるのがオーソドックスかもしれません。家庭教師を始めるのを知らせる方法はいくつか考えられます。
ただし、すぐに生徒が見つかる可能性は低いです。家庭教師を活動方向の機軸にしていろいろなところに相談に行くのがいいと思います。
そういう機軸がないまま「フリースクール経営者と話しても」答えて話す方にも、聞いているあなたにも何かをとらえがたいと思います。
家庭教師というのが明確であれば聞いていくスタンスが違ってきます。
聞く人によっては自分の生徒が持っていかれると警戒する人もいるかもしれませんが、それはそれです。
自分のところで働きたいのか、自分が開こうとするフリースクールの参考にしようとしているのか、教育問題に関心を持つ学生の社会勉強なのかが不明であっては、得るところも少ないのです。これまではその段階であったのかもしれません。
それを越えていく時期が来たのではないでしょうか。
家庭教師をどう広報するのかはそれだけで一つのテーマですから、ここではやめておきます。
家庭教師以外に思いつくことがあれば、それを活動方向の機軸に周囲の人や関係者に相談することです。
スタンスは家庭教師のときと同じです。
自分に原案や仮説が要ります。何かをしようとする案がないと物事は具体的に進まないものです。
(2)もう一人のMさんは、「不登校、高校中退、高卒認定試験の受験などの経験があるのでその経験を活かせられる仕事に就きたい」といっています。
「フリースクールで働きたいがどうでしょう」という質問です。
こういう質問には、一般論はあまり役には立ちません。状況はフリースクールにより違うからです。
自分にできること、得意なことを明確にして自分の足でフリースクールを訪ねてください。
自分の得意なことにはたとえば不登校の経験があることも該当します。
いま現在が不登校的であればそうはいかないでしょうが、経験としてあるのは弱点ではなく強みであり、業績になります。
そう思って足を使うことです。もしかしてどこにも働けるフリースクールはないかもしれないと初めから諦めていませんか。
それがうまくいかない理由の一つです。やってみないうちから結論を出さないでおきましょう。
そういう就職活動(それも一つの就職活動です)をしていくと何かが見えてくると思います。
そういう自分で動いてみる経験が自分の業績を豊かにします。何をするにしても生きてきます。
(3)不登校情報センターでは5月から「大人の引きこもり教室」を始めます。
そこには支援者になろうとする人の参加も呼びかけています。ここに関しては子どもの不登校を支援する勉強会もしてほしいという意見がきました。
まだ結論的なものは出していないのですが教室参加者にそういう人がいればプログラムに加える方法は取り込めるのです。
また、私は不登校の中学生・高校生年齢の親の会にも加わっています。
Yさん、Mさんにそういう親の会のようなところに参加してみるのもお勧めです。
参加してすぐに結果、結論を得るのではなく、いろいろなことを学ぶ場所にするといいと思います。
私の関わる教室や親の会はあくまでも実例です。そのような場を探して実際に訪ねることが不可欠なのです。
私がなるべく早く動き始めるのがいいと思うのは、2人が若いこと、4月5月はそういうことを始めるのにやりやすい時期であることによります。
自分でフリースクールを開設するとなるとまた違いますが、すぐ始められるのを優先したいのです。