川崎市で「青少年育成連合会」の理事長としていじめ防止に取り組んでいる横田正弘さんから、活動報告と協力の連絡が届きました。それへの返事をいたしました。
「横田正弘さん、お久しぶりです。
不登校情報センターの松田武己です。福田正俊さんと一緒にいじめ問題に取り組んでから20年が過ぎました。 いじめの件数はそれなりの波はありますが、ズーッと続いています。
川崎での篠原真矢君のケースはほとんど何も知らずに来ました。少年らしい正義感にあふれる勇気ある中学生です。社会として、大人として申し訳ない気持ちです。
子どもの問題は大人社会に問題があり、それが際立って表れてしまうように思います。
その意味では根本的には大人社会の問題を何とかしなくてはならないはずですが、個人としても、不登校情報センターという団体としてもそういうことにはほとんど力を発揮できないでいます。
同時に子どもたちのいじめには(大人社会の問題の反映だからといって後回しにはできず)特別に取り上げて対処しないと、とんでもないことになってしまいます。
有名人を含めて多くの人たちがいじめをなくそうと呼びかけていますが、そういうことだけでは子どもの気持ちを大きく動かすことにはならないのではないか。ある部分の子どもたちは私たちの思いのはるか先にいます。
私には置かれた条件の中でどういう取り組みをすればいいのかはよくわかりません。
いじめを受けている子の親からときどき電話相談があります。
いじめ後遺症ともいえる高齢者(なかには五十代になりなお社会に入れない人も)からも対処法はどうすればいいのか、などの相談が入ります。
それぞれに応じたことはお返事していますが、決定打にはなっていません。
いずれにしても事態が発生した後のことです。事態の進行中のことはその情報自体が届きません。横田さんのところでは進行形の事態が届くように思います。
そういうときの対処法、そういう事態の進行中の把握方法ももしかしたらご存知なのかもしれません。
想像ですが、私と横田さんの教育観は必ずしも近くはないかもしれません。しかし、子どものことがとりわけ好きで、子どもたちが未来の日本であることを信じて、最善の状態をつくりたいという思いは共通しているものと思わずにはいられません。
これからも何かご教示いただければさいわいです。
可能な協力はするつもりでいます。
2012年3月14日 松田武己」
〔福田正俊さんはペンネーム・三田大作で『いじめで子どもが死なないために』を出版し、私はその出版に協力しました〕。