チャレンジスクールが示すもの

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考えていた本論に入る前にもう一つ別のことを書きます。高校入試の作文問題が考えさせてくれたことです。

東京都のチャレンジスクールという昼間定時制高校は、不登校生を受けいれるためのものでした。厳密に言うとそうではないというかもしれませんが、あまり強がらないでいただきたいのです。少なくとも不登校生が増えている状況での行政としての対応策であったわけです。

設立の初めから入学希望者は多く、平均競争率2倍以上は当然の状況でした。設立数年してもこの“人気”はつづき、学校としての認知も進みました。ここにきて軌道の微妙な修正を図っていると思えます。なかには不登校対応としての役割は終了に向かうと考えたい人もいるでしょう。あるいはまた私学とのやり取りへの対応策が含まれているかもしれません。私学に行く生徒は残しておく暗黙のサインかもしれません。

チャレンジスクールは不登校対応の高校から離陸を図っていませんか。不登校、あるいは引きこもり的な不登校生や登校がかなわない不登校経験者(!?)は、通信制高校およびサポート校に席を譲ると態度で示しつつあると思います。不登校生に進学先としてのチャレンジスクールは門戸が狭められつつあると言い換えられそうです。

 その一方、チャレンジスクールの“人気”は高いままです。不登校経験者に加えて、不登校“親和”生徒がいるからです。私は、「引きこもりを社会参加させようとしていたのに、社会の方が引きこもりに近づいている」と書きましたが、それは中学生や高校生にもすでに現われているのです。この“親和”生徒とはそのような状態の子どもたちです。

ここから引き出されることは何でしょうか。チャレンジスクールに限らず多数の高校がチャレンジスクール模様になることが求められているということです。高校生年齢のかなり多くが不登校的ないしは不登校“親和”的になっているのです。それに対応することが求められているのです。

もちろん多数ある高校が同一色になる必要もないし、現実にそうはなりません。チャレンジスクール模様とはいえそれぞれの特色を持ちます。しかし全体として不登校生および不登校“親和”生徒を受け入れる状況が広まらないとうまく対応できない時代になっていることを示していると思えるのです。

学校は(この場合は高校ですが)不登校生の増大により、このような経路により対応してきたフリースクールの影響、そしてチャレンジスクールの経験を徐々に受け入れていくのです。それはこの時代の子どもたちの状態に(子どものほうではなく)学校のほうが適応しようとしている姿なのです。

しかし、大きな変化はまだ途上にあり、これからも社会の変化に沿った学校の変化は続いていくものと思います。

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