「自己実現の病(?)」を考える

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2月8日に書きました「広木克行先生の講演感想の(2)」において私はマズローの欲求5段階説について、次のように書きました。

『言い換えますと「②安全欲求、③社会的必要と愛情欲求、④自我欲求」は十分満たされてなくても、若者世代には⑤自己実現要求に向かう傾向があること、それは情報社会の到来が無意識のうちに表れていることにより作動していると思えます。
マズローの欲求5段階説は生きているけれども相対化されるのではないでしょうか。』

この部分を諸星ノアさんはおそらくは読んでいないでしょうが、彼のブログ「のろのろ全速力日記」2012年2月17日に次のように書いています。題名は「就職、そして水木先生の言葉」。
『少しずつ、身体を動かそうという方向に、気持ちが行っているという話などをする。
就業を見据えて運動をするというと、私の場合、動けない。あくまで身体を鍛えることのみ、目的になっているので、動ける。
自動車の免許を取った時もそうだった。私は二度教習所に通っているが、一度目は大学卒業間近、父に就職に必要だからと無理矢理通わされた。結果、すぐ心が潰れて、教習所を辞める。というか大学卒業前後は、就職の恐怖で、酷い精神状態になっており、ベッドに寝たきりに近い状態だったので、免許どころではなかった。
二度目は、26歳の頃。弟が免許を取って、彼とドライブをしているうちに、自分も運転したくなった。それで今度は一度目とは違う教習所へ、入学。1ヶ月と12日で、免許を取得。
自分の場合は、就職と切り離すと、やる気が起こる。
就職というのが、どうにも私には、なにをやるにも、心理的な大きな負担になる。
・・・とまぁ、こんな話を、カウンセラーさんに話した。

終わって、昼飯を食べに行き、帰りに本屋に寄って、立ち読み。
水木しげる先生の『水木さんの「毎日を生きる」』(角川SSC新書)を立ち読み。
ちょうど開いたページには、水木先生のこんな言葉があった。
「働くと言うことは、金儲けだということを、肌で分かってない人が多い」
なんか、耳に痛い言葉だ。
私は、働くことと、自己実現が同じになっていないとダメだという感覚から、強迫的に逃れられないので、水木先生のようにはなれないんだな。
また先生曰く、
「自分のやっていることが金になるかならんかは、少し頭が良ければ分かるはず」
私は頭が悪く、自己実現の病(?)なので、分からなかったです・・・。
まぁ、先生は、結果的に成功した人だから、言えることだとは思いますが・・・。
私が、全然売れてない時期の水木マンガを読んでたら、後の成功なんて、予想できないかも。少し悪口になっちゃいますけど。
すでに『ゲゲゲの鬼太郎』を子供の頃にアニメで見てしまってから、つまり成功した水木先生を最初に知ってしまったので、その評価に乗っかって、売れない時代の作品も読んでいるから、面白いと思っているだけなのかも。本当にその頃の作品が優れていたのかとか、正確には分からない。
まぁ、作品の評価の話はいいとしてー
自分を冷静に見ることや、金儲けと自己実現は、分けて考える必要性はあるかもしれない・・・。』

この太字にした部分、その実感はいろいろな人からいろいろな表現で聞いてきたように思います。これがマズローの説を生きてはいるけれども相対化されること、情報社会の到来を予感していることの背景と考えるのです。ただし後者の情報社会の予感はノアさんの言葉にはありません。

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