「日本発達障害ネットワーク第7回年次大会」の感想その4です。
今回は大会をやや離れて不登校情報センターの現状を評価したいと思います。
社会が障害者に近づく、特定子会社を超える障害者の受け入れ、当事者主体の職場づくりなどずいぶん理想的なことを感想に書きました。
いったい不登校情報センターの取り組みの現実とどんな関係があるのか、そこを考えるものです。
(1)ワークスペースでの作業、それは日常的にはパソコンを使う作業ですが、時には事務的なことや以前にはポスティングもしていました。これには作業費を支払います。2003年終わりからですから8年間毎月続いてきました。
ただし、作業費は低額であり、労働基本法の最低賃金以下です。しかし、労働基準法に違反をしているわけではありません。同時に将来は最低賃金以上にはしたいと思います。それに支払い遅延はよく発生します。それでも継続してきていることは事実です。
(2)作業に対し作業費を支払う対象は、当事者であり会員です。会費をもらいながら作業に対して支払います。収入全体を個人の出来高により支払ってきました。作業の知識・能力・技術は個人差が大きいのですが基準時間当たりの作業費にそれほどの差は出していません。
(3)作業時間は、週1~4日、1日2時間~6時間、45分業務と15分の休憩、これが基準です。これだけで大きな個人差がでますが、作業においてはこれをはみ出すことも少なからずあります。そのぶん差は大きくなります。休憩はこの基準によらず作業を続けるタイプが多いです。
(4)そんな状態では社会生活に必要な収入を得ることができない、という意見があるはずです。その通りですが、その意見がなくても、意見をされても、実際に作業ができない現実が厳然とあり、それを改善ができないなかでは何の反論にもなりません。言葉をかければ事態がかわるわけではありません。
結局、その意見は限定的に働ける人を全く働かない状態に追い込むだけであり、無策です。その状態では生活できないことは社会福祉政策で対処するしかありません。それは生活保護制度などを改善することになるでしょう。
(5)しかし、ネット社会、情報社会ではそのような限られた作業状態でも生活できる収入の道が開かれようとしています。それは限られた人が対象になるしかないかもしれません。私が向かうのはここを阻止しないで、むしろ積極的に伸ばそうとすることです。
(6)いずれにしても大きなことを言える状態ではありません。小さな、低いレベルにいることは確かです。可能なことは追求し、ミニサイズの原型をつくってきています。それを発展させようとするのです。
意識してきたことは引きこもり経験者が収入を得られるワークスペースづくりです。それは発達障害者が中心の職場にも通じるのではないか、そんな思いがあります。