外出できる程度の引きこもり経験者の話です。
親の気分や行動に微妙なすれ違いを感じます。それはこういうことです。
(1)こちらの状態をある程度察して「無理はしなくていいよ。なるべく外に出るようにすればいいのだから…」といってくれるのですが、いざ今日はしんどいと思って休んでいると、
(2)口では「出て行ったら」とは言わないけれども、不機嫌さが親のからだの動き方やものの言い方に出ていて、落ち着いて家にいられません。
親は意識の上では理解しているのでしょうが、意識しない本質的な感情を隠しきれないのです。それを敏感に感じてしまうこちらとしては、二者択一の中では外に出ざるを得なくなります。こちらの選択は、(1)家にいて親の不機嫌とつきあうか、(2)外出して心身の苦痛を感じるかの二者択一になります。毎日のようにこの状態が続くので大変です。
これを聞いた別の人の感想では、家の中に自分のことを理解しようとする人がいないのがいちばん大変です。この人の場合はとにかく親が意識の上では理解しようとする分いいかもしれないが、親の理解が不十分なだけにしんどいと思う、というものでした。
私の感想は、しんどいことは確かだけれども、一般論としては親を攻められません。親のいっそうの理解をすすめ、感情的レベルをどうするか考えます。親の会に継続的に参加するよう願うところです。
このような葛藤は軽いレベルであっても実際には避けられません。人との関係は自然に葛藤やストレスが生まれるものです。その程度がひどくなる場からは離れ、ストレス解消のしかたを身につけ、少しずつストレスに耐えられるようにするのが目標になります。
家族内での葛藤やストレスは、社会的な場での修練の予行演習であり、外出先での実生活経験を家族内で癒し、役立つようにめざすのがいいと思います。