児童虐待数から見える別のもの

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幼児虐待が昨年度は5万5千件を超えました。福島・宮城両県を除いていますが、それでも1年前よりは1万件を超えて増えました。この件数を集計し発表したのは全国児童相談所長会、すなわち全国の児童相談所で扱った児童虐待数です。
これ以外にも実際の児童虐待は推測されますが、同一基準による件数の推移として一定の意味を持ちます。虐待と判断するのは児童相談所、実務的には担当職員の報告に基づく、各児童相談所での判断になります。
よく似たものに不登校数があります。不登校は児童・生徒の学校への出席状況を、学校長が学級担任の報告に基づいて判断したものです。不十分さはありますがある事実に基づき集計したものです。

私がかかわる引きこもりはどうでしょうか。2003年ごろ全国の保健所と精神保健福祉センターの報告によると集計数は1万人以下の数字でした。あまりにも現実の人数とは違うため、それは引きこもり数とはされませんでした。
昨年それに代わる引きこもり数として、全国で70万人プラス“親和的”な人という140万人という数字が厚生労働省から発表されました。児童虐待数や、不登校生数と異なるのは、個人の特定がされていないことです。また引きこもりをだれが判断するのかを公式に設定していません。人数は児童虐待や不登校生よりもはるかに多いのに統計上の推測数です。
引きこもり支援策は架空の数値を基礎にしています。政府と各自治体の支援策は相手を特定しないで呼びかけられているのです。
その結果の1つに妙なことが生まれています。引きこもりからの就業者数は不思議なものです。引きこもりからの就業・雇用は、医師から精神障害者と診断された精神障害者の就業・雇用数とそれに該当しない一般健常者の就業・雇用数に含まれます。ここには引きこもりからの就業・雇用という事態は出てきません。つまり支援実態の重要項目は見えないのです。
厚生労働省さん、これでいいのですか。政治指導を掲げる政治家のみなさん、これで引きこもり支援はすすむのですか。私には根無し草の支援策が続いているように思えます。

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